Letter
物性物理学:二次元ヘテロ構造における静電ゲート効果の可視化
Nature 572, 7768 doi: 10.1038/s41586-019-1402-1
最新の電界効果デバイスで電子状態を直接観察できれば(例えば、ゲート電圧をかけながら、電位、フェルミ準位、バンド構造の局所的な変化を撮像できれば)、デバイスの物理と機能に関する我々の理解が一変する可能性がある。今回我々は、二次元ファン・デル・ワールスヘテロ構造にマイクロメートルスケールの角度分解光電子放出分光法(microARPES)を適用することによって、デバイスの電子状態の直接観察が可能になることを示す。2端子グラフェンデバイスでは、ゲート電圧をかけると、フェルミ準位がディラック点を横切って変化するのが観測されたが、その分散には検出可能な変化は観測されなかった。二次元半導体デバイスでは、電子が蓄積すると伝導バンド端が現れることが分かり、このバンド端のエネルギーと運動量が確定された。単層の二セレン化タングステンの場合、静電ドーピングが増えると、バンドギャップが数百ミリ電子ボルト下向きへ繰り込まれ、励起子のエネルギーに近づくのが観測された。光学分光法とmicroARPESの両方を単一のデバイスで実行できるため、ゲート制御した電子特性と光学特性との間の関係の信頼性の高い研究が可能になる。今回の手法によって、基本的な半導体物理だけでなく、電気制御下でのトポロジカル転移や多体スペクトル再構成などの興味深い現象を調べるための強力な方法が得られる。

