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材料科学:3層グラフェンモアレ超格子における調節可能な超伝導の特徴

Nature 572, 7768 doi: 10.1038/s41586-019-1393-y

高転移温度(高Tc)超伝導の機構を理解することは、物性物理学における中心的課題である。高Tc超伝導は、ハバードモデルによって記述されるように、ドープされたモット絶縁体において生じると推測されることが多い。しかし、モット絶縁体は電子–電子相関が強いため、ハバードモデルを厳密に解くことが極めて困難である。従って、調節可能なハバード系を研究することが非常に望ましい。そうした系では、ハバードパラメーターを用いて非従来型超伝導とその変化を系統的に調べることで、ハバードモデルの理解が深まる可能性がある。今回我々は、ABC-3層グラフェン(TLG)と六方晶窒化ホウ素(hBN)のモアレ超格子における調節可能な超伝導の特徴について報告する。「魔法角」ねじれ2層グラフェンの場合とは異なり、垂直変位場の下でABC-TLG/hBNヘテロ構造は、垂直変位場によってバンド幅を連続的に調節できる三角格子上に超格子構造を持つハバードモデルにより関連付けられる孤立したフラットな価電子帯ミニバントを特徴とすることが、理論計算によって示されている。我々は、そうした変位場を印加すると、単位胞当たり正孔1個に対応する1/4フィリング状態と正孔2個に対応する1/2フィリング状態において、ABC-TLG/hBN超格子が20 K未満でモット絶縁状態を示すことを実験的に見いだした。さらに冷却すると、1/4フィリングモット状態の電子ドープ側と正孔ドープ側に、1 K未満で超伝導の特徴(「ドーム」)が現れた。ABC-TLG/hBN超格子における電子挙動は、電子–電子相互作用とミニバンド幅の相互影響に敏感に依存すると予想される。我々は、垂直変位場を変化させることによって、超伝導体候補からモット絶縁体や金属相へと転移することを実証する。今回の研究は、ABC-TLG/hBNヘテロ構造が、調節可能な三角格子ハバードモデルに現れる豊かな相関挙動を探究する魅力的なモデル系となることを示している。

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