Letter

物性物理学:高圧下にある水素化ランタンの250 Kでの超伝導

Nature 569, 7757 doi: 10.1038/s41586-019-1201-8

H3Sにおいて203 Kでの超伝導が発見されたことから、バーディーン・クーパー・シュリーファー理論とミグダル・エリアシュバーグ理論によって記述できる特性を持つ、従来型の超伝導体が再び注目されている。これらの理論は、高い振動数での格子振動などの特定の有利な特性を持つ金属における室温超伝導の可能性を予測しているが、新しい超伝導材料の設計の指針を示したり、特性を予測したりするには十分ではない。密度汎関数理論に基づく第一原理計算によって、そうした予測が可能になり、水素原子の作るケージの中心にホスト原子[カルシウム(Ca)、イットリウム(Y)、ランタン(La)]がある、クラスレート型構造を持つ新たな超伝導性水素化物群が提案されている。LaH10とYH10では、メガバールの圧力において240〜320 Kの臨界温度で超伝導が生じると予測されている。本論文では、LaH10Fm3m構造において、約170 GPaの圧力で臨界温度が約250 Kの超伝導を確認したことを報告する。これは、我々の知る限りでは、これまで超伝導材料で確認された中で最高の臨界温度である。超伝導は、ゼロ抵抗、同位体効果、外部磁場下での臨界温度の低下の観測によって立証され、これにより、ゼロ温度での上部臨界磁場が約136テスラであると示唆された。臨界温度が以前の最高値と比べて約50 K高くなったことは、近い将来に室温超伝導を実現する目標に向けて励みとなる一歩である。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度