免疫学:STINGのクライオ電子顕微鏡構造から明らかになったサイクリックGMP–AMPによるその活性化機構
Nature 567, 7748 doi: 10.1038/s41586-019-0998-5
DNAを含む病原体による感染は、サイクリックGMP–AMPシンターゼを介してI型インターフェロンや炎症性サイトカインの産生を引き起こす。サイクリックGMP–AMPシンターゼは2′3′-サイクリックGMP–AMP(cGAMP)を産生し、これがSTING(stimulator of interferon genes;別名TMEM173、MITA、ERIS、MPYS)に結合してこれを活性化する。STINGは小胞体膜タンパク質で、4つの膜貫通ヘリックスを持ち、その細胞質側にリガンド結合・シグナル伝達ドメインが続いている。STINGの細胞質ドメインは二量体を形成していて、cGAMPと結合するとコンホメーション変化が起こる。しかし、このコンホメーション変化がSTINGの活性化につながる仕組みは分かっていない。今回我々は、ヒトおよびニワトリに由来する完全長STINGの不活性型二量体状態(サイズは約80 kDa)と、cGAMPが結合したニワトリSTINGの二量体状態と四量体状態のクライオ(極低温)電子顕微鏡構造を示す。これらの構造から、膜貫通領域と細胞質側の領域が相互作用してまとまった形となり、互いのドメインが交換された二量体構造が形成されることが分かった。リガンド結合ドメインは、cGAMPの結合によって閉じると、膜貫通ドメインに対して180°回転する。この回転は、リガンド結合ドメイン二量体の側面にあるループでのコンホメーション変化と共役して起こり、リガンド結合領域が並んで詰め込まれ、これがSTING四量体やさらに高次のオリゴマーの形成につながる。STINGのオリゴマー化と活性化に関するこのモデルは、今回得られた構造を基盤とする変異導入解析によって裏付けられた。

