Letter

進化学:協同繁殖を行うカッコウの代替繁殖戦術としての社会寄生

Nature 567, 7746 doi: 10.1038/s41586-019-0981-1

協同して営巣する鳥類は、宿主の巣に産卵しながら子の世話を全く行わない社会寄生者に対して脆弱である。従来の研究には、宿主の防御とそれを回避しようとする寄生者の試みとの間の共進化的軍拡競争に注目したものが多かったが、雌が協同することもあれば寄生することもあるのはなぜなのか、そして協同的なシステムからどのようにして寄生戦術が生じるのかは、いまだ明らかにされていない。今回我々は、個々の雌の生活史の比較を可能にする11年分のデータセットと総合的な遺伝的データを用いて、熱帯に生息する寿命の長いカッコウであるオニオオハシカッコウ(Crotophaga major)では、協同的な繁殖戦略と寄生性の繁殖戦略がほぼ同等の適応度利得をもたらすことを示す。繁殖期の始めには個体群内の大半の雌は協同で営巣するが、最初の巣が破壊されると、巣を破壊された雌のうち少数はその後繁殖寄生を行うようになることが分かった。寄生を行う傾向は反復性が高く、これは各個体の特化を示唆している。これら2つの戦略の適応度利得は全ての年でほぼ同等であり、寄生を全く行わなかった雌(「純粋協同」戦略)は、営巣と寄生の両方を行った雌(「混合」戦略)よりも一腹卵数が多く、巣立った若鳥の数も多かった。今回の結果は、寄生の成功が宿主防御だけでなく繁殖的トレードオフによっても制約されていることを示唆しており、同一個体群内で協同戦術と寄生戦術がどのようにして安定的に共存し得るかを明らかにしている。

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