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がんモデル:組織の弯曲と機械的張力の頂底方向の不均衡が、がんの形態形成を指示する

Nature 566, 7742 doi: 10.1038/s41586-019-0891-2

管状上皮は器官の基本的な構成要素の1つであり、がんが頻繁に発生する部位でもある。腫瘍の発生では、形質転換した細胞が過剰に増殖して上皮の構造が破壊される。しかし、腫瘍組織が異常な形態をとることの根底にある生物物理学的パラメーターは知られていない。今回我々は、マウスの膵臓で、上皮腫瘍の形態が、形質転換細胞の細胞骨格の変化と既存の管状構造との相互作用に依存して決まることを示す。がんのイニシエーションにおける組織構造の形態変化を調べるため、我々は、組織を単一細胞の分解能で分析できる、臓器全体の三次元画像化技術を開発した。膵管の発がん性形質転換は、膵管から外側へと拡大する外方増殖性病変と膵管内腔から内側に成長する内方増殖性病変という2つのタイプの新生物性増殖につながることが分かった。野生型細胞ではミオシン活性は基部よりも頂端で高いが、こうしたミオシン活性の勾配はいずれのタイプの病変でも形質転換に伴って失われた。三次元の頂端モデルシミュレーションと、形質転換細胞で観察された細胞骨格の変化を組み込んだ上皮の力学の連続体理論からは、起源となる上皮の直径が成長中の腫瘍の形態を指示することが示された。三次元画像化からは、理論予測と一致して、細い膵管が外方増殖病変を生じるのに対し、太い膵管は内方増殖性の変形を生じることが明らかになった。同様の病変成長パターンは肝臓や肺の管状上皮でも観察されており、今回の知見は、張力の不均衡と組織の弯曲が上皮の腫瘍発生の根本的な決定要因であることを示している。

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