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幹細胞:群体脊索動物で見つかった哺乳類様の複雑な造血系
Nature 564, 7736 doi: 10.1038/s41586-018-0783-x
造血は多細胞動物で進化した極めて重要な仕組みで、造血幹細胞(HSC)がこの仕組みの中心である。HSCは多能性と自己複製能を合わせ持つ細胞で、動物の一生を通じて血液細胞や免疫細胞の全レパートリーを作り出す。脊椎動物のHSCでは、自己複製、分化、生理学的調節、ニッチの占有についての包括的な研究が行われてきたが、HSCの進化的起源やニッチについては比較的わずかしか知られていない。今回我々は、群体被嚢類のウスイタボヤ(Botryllus schlosseri)の造血系について報告する。ウスイタボヤは血管系と循環する血液細胞を持つこと、また、幹細胞の生物学的特徴や免疫学的特徴が興味深いことが知られている。遺伝学的に適合するウスイタボヤコロニー間で自己認識が起こると、血液循環を共有する癒合の形成につながるが、遺伝学的に適合しないウスイタボヤコロニー間では相互に拒絶が起こる。今回我々は、フローサイトメトリー、特徴を明らかにした各細胞集団の全トランスクリプトーム塩基配列解読、さまざまな機能解析を用いて、HSC、前駆細胞、免疫エフェクター細胞、HSCニッチを特定し、自己認識によりアロ特異的な細胞傷害性応答が抑制されることを実証した。我々の結果は、被嚢類と脊椎動物の共通祖先にHSCと骨髄系免疫細胞が出現したことを示しており、また、造血性骨髄とウスイタボヤのエンドスタイル・ニッチが共通の起源から進化したことも示唆している。

