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量子物理学:平衡から遠く離れたスピノール・ボース気体における普遍的ダイナミクスの観測

Nature 563, 7730 doi: 10.1038/s41586-018-0659-0

平衡から遠く離れた量子系のダイナミクスを予測することは、理論多体物理学において最も難しい問題の1つである。一般的に多体系の発展はその詳細全てを扱うことが困難であるが、関連のオブザーバブルは、微視的な系のパラメーターや初期条件に対して敏感でなくなる可能性がある。これが普遍現象の基礎である。平衡から遠く離れたところでは、普遍性は、普遍的なべき指数や関数によって捉えられる系の時空間発展のスケーリングを通して確認される。これは、理論的には、インフレーション宇宙論における再加熱過程、量子色力学によって記述される原子核衝突実験のダイナミクス、非相対論的量子場理論における希薄量子気体のクエンチ後のダイナミクスなど、全く異なる例において研究されてきた。しかし、量子多体系において、そうした時空間的スケーリング発展の実験的実証は行われていない。本論文では、準一次元スピノール・ボース・アインシュタイン凝縮体において空間的に分解されたスピン相関を評価することによって、普遍的ダイナミクスの出現を観測したことを報告する。我々は、長い発展時間にわたって、スピン励起の空間的相関からスケーリング特性を抽出した。これにより、このダイナミクスが、出現した保存量と低運動量スケールに向かうスピン励起の輸送に支配されることが見いだされた。今回の結果から、そのダイナミクスが時間非依存性のスケーリング指数とスケーリング関数に符号化される、重要な種類の非定常系が確立され、これは、非熱的不動点が存在する証拠となる。我々は、さまざまな初期条件を用意して同一のスケーリング挙動を観測することによって、非熱的スケーリング現象には、パラメーターの微調整が不要であることを確認した。今回のアナログ量子シミュレーション法は、非熱的な普遍性現象の根底にある機構と特徴を明らかにする基盤となる。この普遍性は、極低温気体を使った実験から、宇宙論や量子色力学の分野で研究されるダイナミクスの基本的側面について学ぶために用いることができる。

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