Letter
天文学:摂動を最近受けた力学的に若い銀河系円盤
Nature 561, 7723 doi: 10.1038/s41586-018-0510-7
銀河系の大半の星が存在する銀河系円盤の進化は、複数の現象の影響を受けている。例えば、銀河系の棒構造や渦状腕は、星の動径方向への移動を誘起し、軌道共鳴付近にある星を捕獲したり散乱したりすることもできる。また、伴銀河からの外部摂動にも役割があり、銀河系の力学的加熱、円盤内のリング状構造、異なる恒星速度成分間の相関をもたらす。さらに、こうした摂動によって、銀河面内での恒星の動きにおけるアーチ状の速度構造などの「位相ラッピング」という痕跡も円盤内に生じる。これらの力学的過程については、いくつかの現象がすでに検出されており、近隣恒星サンプルにおける運動学的な下部構造、軸対称で平衡しているという予想とは特に垂直方向で異なる銀河系円盤内の密度非対称性と速度分布、銀河系円盤内の不完全な位相混合の痕跡などが挙げられる。今回我々は、銀河系円盤の600万個の星の動きを解析した結果を報告する。そして、空間座標と速度座標を組み合わせた場合、位相空間分布には、カタツムリの殻状やリッジなどのさまざま形態の異なる下部構造が含まれることを示す。円盤は9億〜3億年前にほぼ間違いなく摂動を受けたと推定され、これは、いて座矮小銀河のこれまでの近点通過に関する見積もりと一致する。今回の発見は、銀河系円盤が力学的に若く、円盤を時間依存しない軸対称的なものとしてモデル化するのは不適切であることを示している。

