Letter

材料科学:酸化グラフェン膜を通る水の透過の電気的制御

Nature 559, 7713 doi: 10.1038/s41586-018-0292-y

膜や毛細管を通る水分子の輸送制御は、水質浄化技術やヘルスケア技術など、さまざまな分野で重要である。膜(主にポリマー膜)を通る水の透過を制御するこれまでの試みは、pH、温度、イオン強度を変化させることによって膜の構造や膜表面の物理化学的特性を調節することに重点を置いていた。水輸送の電気的制御は魅力的な代替法であるが、理論とシミュレーションからは、電場印加の下での水分子の凝固から氷の融解まで、矛盾する結果が得られることが多かった。今回我々は、マイクロメートルの厚さの酸化グラフェン膜を通る水の透過を電気的に制御したことを報告する。酸化グラフェン膜は、超高速水透過や分子ふるいといった特性を示し、工業規模で製造できる可能性があることが以前明らかにされている。我々は、水の透過を電気的に制御するため、制御可能な絶縁破壊を介して酸化グラフェン膜中に導電性フィラメントを形成した。こうした導電性フィラメント付近に集中する電場によって、酸化グラフェン膜内のグラフェン毛細管内部の水分子がイオン化され、水輸送が妨げられる。このようにして我々は、高速透過から完全遮断まで、水透過の精密制御を実証した。今回の研究は、人工生物システム、組織工学、ろ過といった用途向けのスマート膜技術を開発する道を開くものである。

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