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細胞生物学:膜のない細胞小器官で有糸分裂時に起こる相転移はキナーゼによって制御される
Nature 559, 7713 doi: 10.1038/s41586-018-0279-8
膜のない細胞小器官の形成と解体の基盤となっているのが液–液相分離であることは明らかになっているが、細胞がこの現象を制御する仕組みについては、ほとんど解明されていない。有糸分裂の際には、核膜の崩壊に伴って膜のない細胞小器官が見えなくなり、有糸分裂が完了すると再び出現するので、調節された可逆的な液相分離の重要な例が起こっている可能性がある。本論文では、二重特異性を持つキナーゼDYRK3が、有糸分裂の際に数種類の膜のない細胞小器官の主要な溶解酵素(dissolvase)として作用することを明らかにする。DYRK3キナーゼ活性は、有糸分裂期に細胞質が液体様の異常な融合型小器官へ分離するのを防止し、紡錘体の過剰な核形成を阻止するのに不可欠である。これらの結果は、核膜の分解の際に相分離に関わるタンパク質群が希釈され、さらにそれらのタンパク質の可溶性がDYRK3に依存して決まるという複合的な設定によって、有糸分裂の際の膜のない数種類の細胞小器官の溶解と濃縮が可能になるという機構を裏付けている。

