公衆衛生:アフリカにおける大気質と乳児死亡率の間に見られるロバストな関係
Nature 559, 7713 doi: 10.1038/s41586-018-0263-3
劣悪な大気質は世界的に重要な死亡リスク因子だと考えられているが、大気中の粒子状物質への曝露の変化に伴い死亡リスクがどのように変化するかについて、開発途上の地域から得られた直接的な証拠はほとんどない。現在の世界的な見積もりでは、主に裕福な中緯度地域の国々から得られた曝露と応答との関係性を人口の空間分布データに適用しており、これらの見積もりは他の大半の国々では正当性が立証されていない。今回我々は、サハラ以南のアフリカ全域における100万件近くの出生について、その場所と時期に関する世帯調査に基づく情報と、空気動力学径が2.5 μm未満の大気中の吸入性粒子状物質(PM2.5)についての衛星観測に基づく曝露の見積もりとを組み合わせることで、アフリカにおいて大気質が乳児の死亡率に及ぼす影響を推定した。その結果、PM2.5濃度の10 μg m−3の上昇が、データセット全体にわたり、乳児死亡率の9%(95%信頼区間:4~14%)の増加と関連することが分かった。この影響は、過去15年間にわたり減少しておらず、世帯資産のレベルが高くても軽減されることはなかった。我々の見積もりからは、最低曝露レベルを超えるPM2.5濃度が、研究対象となった30か国において乳児死亡の22%(95%信頼区間:9~35%)の原因となり、2015年には44万9000件(95%信頼区間:19万4000~70万9000件)に及ぶ乳児死亡数の増加につながったことが示唆された。この見積もりは、これらの国々での、劣悪な大気質が原因とされた乳児死亡についての従来の見積もりより3倍以上大きい。研究対象となったアフリカの国々における疾病負荷の見積もりの上方修正は、それだけで大気汚染と関連付けられている世界の乳児死亡の現在の見積もりを倍増させるものであり、アフリカでのPM2.5曝露のわずかな減少が、乳児の健康に既知の大半の健康介入よりも大きな利益をもたらすと予測される。

