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構造生物学:基質に結合したヒトテロメラーゼホロ酵素のクライオ電子顕微鏡構造

Nature 557, 7704 doi: 10.1038/s41586-018-0062-x

テロメラーゼは染色体末端にテロメア反復配列を付加する酵素で、ゲノム複製の際に起こるテロメア喪失はこうした付加によって埋め合わされている。テロメアの調節は、ヒトのがんなどの疾患や老化に関係することが分かっているが、テロメラーゼを臨床的に操作するための研究は、構造データがないことで進展が妨げられている。今回我々は、基質に結合したヒトテロメラーゼホロ酵素のクライオ(極低温)電子顕微鏡構造をナノメートル以下の分解能で決定した。構造はRNAに柔軟に結合した2つの部分、すなわちテロメラーゼ逆転写酵素(TERT)と保存されたテロメラーゼRNAモチーフ(hTR)を含む触媒コア部分と、H/ACAリボ核タンパク質(RNP)部分とに分かれることが明らかになった。触媒コアでは、RNAがTERTを囲んで秩序立った三次構造をとり、タンパク質とRNAとの相互作用は意外なほど限られている。H/ACA RNPの方は、2組のヘテロ四量体H/ACAタンパク質と1個のカハール体タンパク質TCAB1からなり、これは真核生物のリボソームやスプライソソーム生合成因子の大きなファミリーの先駆け的な構造に相当する。これらの知見は、ヒトのテロメラーゼ病の原因となる変異を理解するための構造的な枠組みとなり、テロメラーゼに関わる臨床治療に向けた重要な一歩といえる。

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