Letter
天文学:系外惑星から失われていく大気中のヘリウム
Nature 557, 7703 doi: 10.1038/s41586-018-0067-5
ヘリウムは宇宙で水素に次いで2番目に豊富に存在する元素で、太陽系内の巨大ガス惑星の主要構成要素の1つである。初期の理論モデルでは、ヘリウムは系外惑星の大気、特に、広がった流出している大気に最も容易に検出される元素種の1つであると予測されているが、ヘリウムの検出はこれまで成功していなかった。本論文では、系外惑星上に4.5標準偏差の信頼水準でヘリウムを観測したことを報告する。我々は、温かい巨大ガス惑星WASP-107bの近赤外透過スペクトルを計測し、励起した準安定ヘリウムの狭い吸収の特徴を1万833 Åに見いだした。吸収の大きさは、トランジット深度において、98 Åの帯域通過で0.049 ± 0.011%であり、通常の恒星の彩層活動によって生じると思われるものより5倍以上大きい。この大きな吸収シグナルは、WASP-107bには広がった大気があり、その流出速度は1010~3 × 1011 g s−1(10億年で全質量の0.1~4%)であることを示している。また、輻射圧によって形成される彗星に似たガスの尾がある可能性も示唆された。

