Letter

細胞生物学:LUBACは細胞死を防ぎ造血を可能にするために、胚発生に不可欠である

Nature 557, 7703 doi: 10.1038/s41586-018-0064-8

LUBAC(linear ubiquitin chain assembly complex)は、TNFR1などの免疫受容体が活性化する際に、最適な遺伝子活性化を行い、細胞死を抑制するために必要である。マウスにおいてLUBAC構成要素であるSHARPINやHOIPを欠損させると、成体期の重度炎症あるいは胎生期の致死をそれぞれ引き起こし、これはTNFR1を介した細胞死の脱調節のためである。ヒトでは、LUBACの第三の構成要素であるHOIL-1の欠損により、HOIP欠損と同様の自己免疫疾患や炎症性疾患が引き起こされるが、マウスでのHOIL-1欠損は顕著な表現型を引き起こさないことが報告されている。今回我々は、HOIL-1欠損マウスを作製し、HOIL-1がHOIPのようにLUBAC機能に不可欠であるが、その理由は異なることを示す。HOIPはLUBACの触媒活性構成要素であるのに対し、HOIL-1はTNFR1シグナル伝達複合体におけるLUBACの組み立て、安定性、最適な保持に必要で、これにより異常な細胞死を防いでいることが分かった。HOIL-1とHOIPはどちらも、TNFR1を介する異常な内皮細胞死(RIPK1キナーゼ活性には部分的にしか依存しない)を妨げることで、妊娠中期での胎生致死を防ぐ。Hoil-1−/ −(別名Rbck1−/ −)胚において、カスパーゼ-8とRIPK3あるいはMLKLを共に欠失させると、細胞死が阻止されるが、カスパーゼ-8とMLKLの組み合わせでの欠失の時のみ、生存可能なHOIL-1欠損マウスが生じた。Ripk3−/ −Casp8−/ −Hoil-1−/ −トリプルノックアウト胚は妊娠後期に死ぬが、これは造血異常のためであり、RIPK1を共に欠失させることで救済され、MLKLを共に欠失させても救済されないことは重要である。以上をまとめると、HOIPとHOIL-1はどちらもLUBACの不可欠な構成要素で、異常な細胞死を防ぐことで胚発生に必要であることが実証された。さらに、LUBACとカスパーゼ-8が存在しない場合には、RIPK3は、RIPK1が胎仔造血の異常を引き起こして胎生致死を誘導するのを防いでいることが明らかになった。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度