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発生生物学:幹細胞だけから生み出された胚盤胞様構造
Nature 557, 7703 doi: 10.1038/s41586-018-0051-0
胚盤胞(哺乳類の初期胚)からは、あらゆる胚組織と、胎盤をはじめとする胚体外組織が生じる。胚盤胞を構成しているのは栄養外胚葉と呼ばれる球形の薄い壁状の細胞層で、これに囲まれた内腔には液体が満たされ、胚細胞が入っている。マウスの胚盤胞からは栄養芽層と胚性幹細胞系列の両方を作ることが可能で、これらはそれぞれ、栄養外胚葉区画、胚区画のin vitro類似物である。今回我々は、栄養芽層と胚性幹細胞がin vitroで協調して、形態や転写の面で3.5日齢の胚盤胞によく似た構造を形成することを明らかにし、これをブラストイド(blastoid)と名付けた。ブラストイドは胚盤胞と同様に、内部の胚細胞から発して外部の栄養外胚葉の発生を引き起こす誘導シグナルによって生じる。これらのシグナルの本質と機能は、ほとんど解明されていない。胚区画と栄養外胚葉区画とを遺伝的、物理的に切り離すとともに、単一細胞のトランスクリプトーム解析を行ったところ、胚誘導の詳細が明らかになった。特に我々は、この胚細胞が栄養芽層の増殖と自己再生を維持しつつ、部分的にBMP4/Nodal–KLF6軸を介して栄養芽層上皮の形態形成を微調整していることを示す。ブラストイドは真正の胚の発生の土台となるものではないが、子宮内にしっかりと着床し脱落膜化の引き金となる栄養外胚葉を形成するには、胚誘導が極めて重要であることが実証された。従って、この段階では、新しく生じた胚が栄養外胚葉の発生と着床の原動力となる。

