Letter
材料科学:二セレン化タングステン単層における光波バレートロニクス
Nature 557, 7703 doi: 10.1038/s41586-018-0013-6
従来のエレクトロニクスが限界に近づいていることから、ナノ科学では、電子を基本的な量子レベルで高速に制御する方法が緊急に求められている。光波エレクトロニクスは、アト秒科学の基盤であり、高強度光パルスの振動する搬送波を用いて、電子の電荷の並進運動を光の単一サイクルよりも速く制御する。スピンとバレー擬スピンの内部量子属性は、非常に有望な情報キャリアであるにもかかわらず、サブサイクルスケールでのスイッチングはまだ可能になっていない。本論文では、光波に駆動されるバレー擬スピンの変化を実証し、光学的読み取りにおける固有の特徴について報告する。二セレン化タングステン単層において光生成された電子–正孔対は、強い光波によって加速され、衝突した。高い奇数次側波帯の出現と、その偏光方向の異常な変化は、超高速擬スピンダイナミクスを直接裏付けている。密度汎関数理論と非摂動論的量子多体法を組み合わせた定量的計算によって、バレー擬スピンの光波によって生じる変化が側波帯の偏光に起因することが示され、この過程がコヒーレントかつ断熱的であると確認された。今回の結果は、光クロック速度での体系的なバレートロニック論理への扉を開くものである。

