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がん:DNA修復の不活性化がネオアンチゲン生成の引き金となって腫瘍増殖を阻害する

Nature 552, 7683 doi: 10.1038/nature24673

DNAのミスマッチ修復(MMR)に関わる遺伝子の分子的変化は、がんのイニシエーションを助長して腫瘍のプログレッションを促進する。しかし、MMRを欠損したがんは、予後が良好で、プログレッションが緩慢なことが多い。MMRを欠損した腫瘍を持つ患者がこのような臨床経過をとる機能的原因は、はっきりしていない。今回我々は、マウスの大腸がん、乳がんおよび膵臓がんの細胞で、MLH1(MutL homologue 1)を遺伝学的に不活性化した。これらのMMR欠損細胞の増殖は、in vitroでも、免疫不全マウスに移植した場合でも、それぞれに対応するMMRの正常ながん細胞の増殖と同等だった。対照的に、MMR欠損がん細胞を同系マウスに移植しても、ほとんど増殖しなかった。MMRの不活性化は変異量を増加させ、変異プロファイルを変動しやすくし、その結果、in vitroでもin vivoでもネオアンチゲンが絶えず更新することになった。一方、MMRが正常な細胞は、時間が経っても変異負荷もネオアンチゲンプロファイルも安定していた。MLH1が不活性化されたがん細胞が数世代にわたってネオアンチゲンを蓄積すると、免疫監視が改善した。MMR欠損によるネオアンチゲンの動的な生成が、1つのクローン集団に限られているときには、免疫監視がさらに亢進した。臨床薬テモゾロミドに対する抵抗性獲得によってMMRの不活性化を起こすと、ヒトの大腸がんでは変異負荷が増加してネオアンチゲンの継続的な更新が促進され、マウスモデルでは免疫監視の引き金となった。これらの結果は、DNA修復過程を標的にすることによって、腫瘍細胞のネオアンチゲン負荷を増やせることを示唆しており、これは治療方法として活用できる可能性がある。

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