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システム生物学:全体的な資源配分戦略が大腸菌の増殖遷移の動態を統制する

Nature 551, 7678 doi: 10.1038/nature24299

システム生物学における重大な課題は、生物システムが、その基盤にある分子相互作用から始まる摂動に対してどのような動的応答をするのか予測することである。微生物の調節現象や適応現象の研究には、古くから栄養環境の変化が用いられており、そうした変化は今なお活発な研究の対象であり続けている。与えられた摂動への応答で主要な代謝過程の調節を統制する分子的相互作用についてはよく分かっているが、そうした相互作用はボトムアップ型の予測モデルに用いるには定量化が不十分である。本研究で我々は、トップダウンの手法を開発し、最近確立されたプロテオーム配分の粗視化モデルを、定常状態の増殖から動的な領域へと拡張した。基盤となる調節過程の定性的な知見のみを用い、フラックスバランスの条件を課すことで、我々は入手しにくい動的パラメーターは用いずに、細菌増殖遷移の定量的モデルを導出した。こうして作製したフラックスにより制御される調節モデルは、遺伝子発現の経時変化や、炭素源の増加や減少(例えばディオーキシー変化)に応答したバイオマス蓄積を、調整可能なパラメーターを必要とすることなく正確に予測した。このモデルで予測され、定量的プロテオミクスで裏付けられたように、細胞は栄養素の変化に応答して準最適な回復動態を示した。これはタンパク質合成の配分という強固な戦略によるもので、特定の代謝ボトルネックを軽減させる方向には向かわない。我々の手法は動的パラメーターに依存しないことから、類似の幅広い動的過程についても、基盤にある生化学的反応に関する詳細な情報なしに、それらを記述するための理論的枠組みが得られることを示している。

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