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構造生物学:カリウムを取り込むKdpFABC膜複合体の結晶構造
Nature 546, 7660 doi: 10.1038/nature22970
細胞のカリウム取り込み系は、生物の全てのドメインで、浸透圧調節、pHの恒常性維持、膜電位に極めて重要な役割を担っている。細菌では、kdpオペロンに4個のサブユニットからなるカリウムポンプがコードされており、カリウムに制限のある条件下で細胞の恒常性、形態、膨圧を維持している。この膜複合体はKdpFABCと呼ばれ、カリウム輸送体のスーパーファミリーに属するチャネル様サブユニット(KdpA)1個と、P型ATPアーゼのスーパーファミリーに属する、別のポンプ様サブユニット(KdpB)をもう1個持つ。どちらのスーパーファミリーのメンバーについても、構造や機能の情報はかなり多く得られているが、KdpAを介したカリウムの上り坂輸送とKdpBによるATP加水分解とを共役させる仕組みは、ほとんど解明されていない。今回我々は、大腸菌(Escherichia coli)の完全なKdpFABC複合体について、カリウムイオン1個がKdpAの選択性フィルター中に、水分子1個がKdpBの膜貫通ドメインのカノニカルなカチオン部位にある状態の、分解能2.9 ÅでのX線結晶構造を報告する。この構造から、これら2つのサブユニット間の共役を仲介するように見える2つの構造要素が明らかになった。具体的には、これらのカリウムおよび水が存在する部位と、KdpAの細胞質側ゲートを制御している1本のヘリックスの間をつなぐ、タンパク質内部に埋め込まれたトンネルが、KdpBのリン酸化ドメインにつながっていることが明らかになった。これらの観察に基づいて、我々はタンパク質のチャネル構造を、生体膜を通る能動輸送に転用する仕組みを提案する。

