進化学:初期の四肢類の知られざる形態的多様性
Nature 546, 7660 doi: 10.1038/nature22966
四肢類の初期進化に関する系統発生学的解析からは、多様なデータセットに対して統一した見解が得られている。それは、ステム群四肢類は中型あるいは大型の動物からなる比較的均一な集団で、陸生への移行に伴い「魚類」の形質を漸進的に喪失したことを示しているのに対し、クラウン群四肢類は形態的な多様性および相違が著しい、というものである。クラウン群四肢類のものとされている最古の化石は、高度に特殊化した欠脚類レティスクス(Lethiscus stocki)のもので、小型の体は軸方向に伸長していて、四肢はなく、椎体はスプール形で、頭蓋の骨化中心は縮小している。これらの特徴は、空椎類と呼ばれる小型の動物群と共通しているが、その他の特徴は大きく異なる。今回我々は、レティスクスの唯一の既知標本に対してマイクロコンピューター断層撮影法を用い、現在の統一見解に大きな疑問を提起する、新たな情報を得た。デジタル解剖の結果、呼吸孔切痕、脳頭蓋内に見られる脊索の大きな名残、開いた腹側の頭蓋裂溝、前方に限定された副蝶形骨要素、およびメッケル軟骨の骨化などの特徴を含む、極めて原始的な頭蓋形態が明らかになった。脳頭蓋は細長く、副蝶形骨の背側に突出した骨膜の上に乗っており、エンボロメリ類などのステム群四肢類と類似している。こうした形態的特徴は、詳細は異なるものの、別の欠脚類であるコロラデルペトン(Coloraderpeton)の特徴と一致していた。脳頭蓋に関する重要な新データを含む系統発生学的解析の結果からは、欠脚類が四肢類の基部深くに位置付けられた一方、別の主要な系統である空椎類は羊膜類へと移された。以上の結果は、ステム群四肢類のボディープランが従来考えられていたよりもはるかに多様であったことを示している。本研究は、分子解析で広く用いられている較正年代の修正を求めるものであり、初期の四肢類の進化的関係には形質のサンプリングが重要であることを強調している。

