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神経科学:底板由来のネトリン1は交連軸索ガイダンスに必要ではない
Nature 545, 7654 doi: 10.1038/nature22331
ネトリン1は進化的に保存された分泌型の細胞外マトリックスタンパク質であり、中枢神経系の正中線での軸索ガイダンスに関与する。ネトリン1は、脊椎動物胚の底板のような中枢神経系の正中線に局在する細胞で発現する。成長円錐のターニングアッセイと三次元ゲル内拡散法で、ネトリン1が交連軸索を誘引できることが示されている。さらに機能喪失実験では、交連軸索の正中線への伸長は、ネトリン1欠失により著しく損なわれることが明らかにされている。以上のデータを合わせて、交連軸索は正中線から拡散するネトリン1の勾配により誘引されるというモデルが長らく支持されてきた。本研究で我々は、Ntn1の条件的ノックアウトマウス系統を用いて、底板細胞でのネトリン1発現を選択的に阻害した。その結果、後脳と脊髄の交連軸索は、底板由来のネトリン1がなくても正常に発生することが明らかになった。さらに、ネトリン1は脳室帯の細胞で高度に発現しており、これによって軟膜表面でのネトリン1放出が可能になり、軟膜表面でネトリン1は交連軸索に結合することが示された。特に、脳室帯でのNtn1の欠失は、以前Ntn1ノックアウトマウスで報告された交連軸索ガイダンス異常を表現型模写することは重要である。これらの結果は、交連軸索の誘導が底板由来のネトリン1の勾配によって仲介されるという古典的な見方は正確でなく、ネトリン1は成長円錐の接着を促すことにより主に局所的に働くことを示している。

