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構造生物学:カルシウムポンプ結晶を用いて明らかになったタンパク質–リン脂質相互作用
Nature 545, 7653 doi: 10.1038/nature22357
脂質二重層は、現在まで、通常の結晶学的方法によっては可視化できず、リン脂質間ならびにタンパク質–リン脂質間の相互作用に関する我々の理解は非常に制限されてきた。今回我々は、4つの異なる状態のCa2+–ATPアーゼ結晶に関し、X線溶媒コントラスト変調法により得られた電子密度マップを記述する。これらのマップにより、膜貫通ヘリックスを取り囲む最初の層に存在するリン脂質全てが解像されたが、タンパク質残基と水素結合していたリン脂質はその半分にも満たない。リン脂質は結合した残基の運動に追従し、二重層の局所的なひずみや厚さの変化を引き起こす。予期しなかったことに、主にTrp残基の帯に制御されてタンパク質全体が反応サイクル中に傾き、それによって膜貫通ヘリックスの大きな垂直運動に伴うエネルギーコストを最小化していた。一部のArg残基は、リン脂質をコンホメーション切り替えを行う際のいかりとして利用するために、細胞質側から側鎖を伸ばしていた。このように、リン脂質–Arg/Lys相互作用とリン脂質–Trp相互作用は、イオンポンプの動態に異なる機能的な役割を果たしており、これはおそらく膜タンパク質一般についても同様であろう。

