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惑星科学:イオのロキ・パテラにおける多相の火山性地表更新作用

Nature 545, 7653 doi: 10.1038/nature22339

木星の衛星イオには、太陽系で最も激しく持続的に活動している火山のロキ・パテラがある。このカルデラに似た火山地形の内部は、2万1500 km2に及ぶ温かくて暗い地面と、これに取り囲まれて中央に位置するより低温の「島」で構成されている。パテラの地域全体に見られる温度勾配は、系統的な地表更新過程を示しており、1980年代以降おおむね1~3年ごとに起こっていることが観測されている。過去のデータの解析からは、パテラの周辺では、地表更新作用が1日当たり1~2 kmの速度で反時計回りの方向に進行ており、これは大量の溶岩流を生む間欠的な噴火か、パテラ内部の溶岩湖の周期的な撹拌によって生じることが示されている。しかし、探査機や望遠鏡による観測では、進行中の物理的過程の確証を得るのに十分な空間分解能でパテラの地面全体からの放射はマッピングできていなかった。本論文では、約2 kmで空間サンプリングした、パテラの地面全体の温度マップと溶岩の冷却経時マップについて報告する。これらのマップは、2015年3月8日(世界時)にエウロパの周縁部がイオを掩蔽した際に、ロキ・パテラからの熱放射を地球上から干渉計撮像して得られた。今回の結果は、ロキ・パテラの地表が、中心部の島の周囲を2つの波が伝播して収束するという多相過程によって更新されていることを示している。2つの波の速度と発生時期が異なることから、パテラ全域での溶岩ガス含有量と地殻のバルク密度の両方かどちらかが不均一であることが示される。

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