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がん幹細胞:LGR5+ヒト大腸がん幹細胞の可視化と標的治療
Nature 545, 7653 doi: 10.1038/nature22081
自己複製するがん細胞の亜集団が、腫瘍の増殖において重要であるというがん幹細胞(CSC)理論が注目を集めている。ヒトのがん幹細胞の存在は主に、あらかじめ単離した個々の細胞が異種移植後に動物内で腫瘍形成することによって確認されてきた。しかし、ヒトのがん幹細胞のクローン動態や可塑性については不明である。今回我々は、LGR5+ヒト大腸がん細胞が、増殖中の生体がん組織においてがん幹細胞として機能することを示す。大腸がんオルガノイドにおいてLGR5座位にタモキシフェン誘導型Cre遺伝子をノックインし、細胞系譜解析することにより、LGR5+腫瘍細胞が組織内において自己複製能と分化能を有することが明らかになった。さらに、LGR5座位にiCaspase9をノックインし、LGR5+ がん幹細胞を選択的に除去すると、腫瘍が縮小することが見いだされた。しかしその後、LGR5+ がん幹細胞の再出現とともに、腫瘍は再増殖した。KRT20ノックインレポーターによって標識される分化がん細胞は、腫瘍組織内において永続的には存続できないが、LGR5+がん幹細胞の除去により、 LGR5+ がん幹細胞に脱分化し、腫瘍の再増殖に寄与した。我々はまた、化学療法との併用がLGR5+がん幹細胞の標的治療効果を高めることも示す。これらのデータは、ヒト大腸がんにおける、可塑性を示すがん幹細胞を標的とする治療の開発への洞察を与える。

