Letter
神経科学:視床による皮質間結合の増幅が注意制御を維持する
Nature 545, 7653 doi: 10.1038/nature22073
視床と皮質の間の相互作用が認知機能に重要であることは知られているが、そうした相互作用に視床がどう寄与するかは正確には分かっていない。最近の研究で、視床を介する多様な結合パターンがあることが示されているが、この多様な結合が、情報の中継や皮質諸領域間の結合を超えた視床の機能を意味するかどうかは、未解明である。今回我々は、マウスの前頭前野(PFC)で注意を導くのに使われる2つの規則の脳内表現の研究により、視床背内側部は、カテゴリー情報を中継することなく、これらの表現を維持していることを示す。具体的には、視床背内側部からの入力は、局所的PFC結合を増幅し、規則に特異的な神経活動の順列を生み出して、規則の表現の維持を可能にする。このことと符合するように、PFCの興奮性を広範に高めると規則特異性と行動成績は低下するが、視床背内側部の活動を高めるとこれら両方が向上した。今回の結果から、神経科学上の新たな原理、すなわち皮質の機能的結合の視床による制御が明らかになった。この機能は、カテゴリー情報の中継とは別で、視床がこれまで考えられていたよりもはるかに広い認知上の役割を持つことを示している。

