エネルギー科学:光照射がハロゲン化金属ペロブスカイト膜の形成に与える影響
Nature 545, 7653 doi: 10.1038/nature22072
太陽電池の集光材料としてハロゲン化金属ペロブスカイト膜が用いられる場合、膜の均一性が光起電力性能と相関するため、膜の形態を最適化することが太陽電池の性能を向上させる重要な方法となる。高性能太陽電池デバイスを実現する目的で、1段階堆積法、逐次堆積法、アンチソルベント法を含め、多くのデバイス構成や加工技術が研究されてきた。過去の研究では、反応物質濃度や反応温度などの反応条件が膜質に及ぼす影響が調べられた。しかし、正確な反応機構や反応を支配する主な要因は、よく分かっていない。結果として制御が不十分になることが、ペロブスカイトの形態や関連する太陽電池性能に大きなばらつきが見られる主な理由である。今回我々は、現行の主な堆積方法である逐次堆積法とアンチソルベント法の両方において、ペロブスカイト形成速度や膜の形態に光が強い影響を与えることを示す。我々は、共焦点レーザー走査蛍光顕微鏡法と走査電子顕微鏡法を用いて、ハロゲン化金属(ヨウ化鉛)と有機化合物(ヨウ化メチルアンモニウム)の反応を調べた。まず、ヨウ化鉛を結晶化させた後に、ヨウ化メチルアンモニウムのインターカレーションを開始させ、ヨウ化鉛メチルアンモニウムペロブスカイトを得た。我々は、そうした逐次堆積を経るペロブスカイトの形成が光によって大幅に加速されることを見いだした。また、光が形態に与える影響を反映して、太陽電池の効率が倍増した。一方、アンチソルベント法を用いて同じ出発物質からヨウ化鉛メチルアンモニウムペロブスカイトを1段階で形成した場合、暗条件で膜を作製したときに最良の光起電力性能が得られることが分かった。光活性化される結晶化が見いだされたことによって、これまで知られていなかったオプトエレクトロニック特性のばらつきの原因が特定されるだけでなく、さまざまな応用向けにペロブスカイトの形態調節や構造化を行う新しい道も開かれる。

