Letter

物性物理学:近藤共鳴の凍結電荷の観測

Nature 545, 7652 doi: 10.1038/nature21704

電子状態をナノスケールで制御する能力は、凝縮物質に関する現代の理解に役立ってきた。特に、量子ドット回路は、近藤効果に代表される強電子相関を研究するモデル系となる。我々は、回路量子電気力学アーキテクチャーを用いて、この多体現象の内部自由度を調べている。具体的には、量子ドットと高Q値マイクロ波共振器を結合して、並外れた感度で量子ドットの電子圧縮率、すなわち電荷収容能を測定している。電子圧縮率は、電子系の電荷応答だけに相当するため、スピンなどの他の自由度が関与するコンダクタンスとは一般的に等価でない。今回我々は、近藤領域においてコンダクタンスと圧縮率の二重測定を行うことによって、この特異な電子移動機構の電荷ダイナミクスを直接明らかにする。輸送測定で見られる近藤共鳴は、高Q共振器にトラップされたマイクロ波光子に対して「透明」であることが見いだされ、(そうした多体共鳴では)クーロン相互作用によって凍結した電荷から有限の伝導が実現されることが明らかになった。この電荷ダイナミクスの凍結は、自由電子ガスの物理とは対照的である。我々は、共振器量子電気力学というツールを、多体相関を伴う他の種類のメゾスコピック回路に使用できる可能性があり、フェルミオン–ボソン問題の量子シミュレーションを行うモデル系が得られると予想する。

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