Letter

神経科学:海馬–嗅内野回路による非空間的な次元のマッピング

Nature 543, 7647 doi: 10.1038/nature21692

空間的ナビゲーションの際、海馬と内側嗅内野(MEC)の神経活動は、場所・頭の向き・速さ・境界との近接度といったナビゲーション変数と相関を示す。これらの活動パターンからは、物理的空間の地図様表現が得られると考えられている。しかし、海馬–嗅内野回路は、空間的ナビゲーションばかりでなく、記憶によって誘導されるさまざまな行動に関与している。この一般的機能と空間に特化した活動パターンとの関係は、よく分かっていない。これらの見解を総合した概念的枠組みでは、空間の表現は、連続した課題に関連する変数群を符号化する、より一般的な機構の1つの例にすぎないと考える。今回我々は、この考えを、連続的な周波数の音をジョイスティックで操作する課題を実行中のラットで、海馬と嗅内野のニューロンから活動を記録することにより検証した。その結果、特定の音の周波数で異なる発火領域を形成する活動を含め、行動課題全体の神経表現が明らかになった。この表現に関わるニューロンは、場所細胞やグリッド細胞など、この回路の既知の空間細胞のタイプと重複していた。これらの結果から、海馬–嗅内野系の共通の回路機構がさまざまな行動課題を表現するために使われていることが示唆され、おそらく空間的ナビゲーションに限らず多くの認知プロセスを支えていると考えられる。

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