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生物地理学:ハワイ諸島で明らかになった進化的放散および衰退の真の速度

Nature 543, 7647 doi: 10.1038/nature21675

種の豊かさ(種数)の変化速度と、生物的環境および非生物的環境の変化との関係を明らかにすることは、進化生物学における重大な目標の1つである。まれな例として、優れた化石記録や地質記録から手掛かりが得られる場合もあるが、ほとんどの分類群では質の高い化石記録が欠如している。そのため、クレードの多様性動態を研究する際、生物学者は概して、多様化の速度変化を環境変化や形質変化と相関させるというような分子系統学的手法に頼ることになる。しかし、分子系統学から導き出される推論は絶滅種に関する説明が困難であるために限界があり、そうした種を生み出した多様性動態を正確に決定することは難しい。今回我々は、ハワイ諸島において、島の面積変化と種の豊かさとの関係に関する地質学的情報に基づくモデルを用い、14の固有分類群の進化史全体にわたる種の豊かさの変化速度を、化石データや分子系統学を必要とせずに推測した。これらの固有クレードは、種数の累積の初期の加速およびそれに続く減速を特徴とする進化的放散を経験していることが分かった。実際、ほとんどの島の大半の分類群で、進化的拡大の時期はとうに過ぎており、これらは現在これまで認識されていなかった長期に及ぶ進化的衰退のさなかにある。今回の結果は、景観の動的変化がどのようにして進化的動態を幅広い時間スケールにわたって駆動し得るかを示しており、これには分子系統学では容易に検出されない、もしくは豊かな化石記録なくしては得られないような種の喪失の駆動なども含まれる。我々は、環境の変化と種の豊かさの変化との間の関係を定量化することのできる他のクレードについても検証が進み、他の多くの現生分類群もまた、長期に及ぶ進行中の進化的衰退などの同様に複雑な進化的軌跡をたどってきたことが明らかになると期待する。

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