Article
材料科学:エネルギー–構造–機能マップを用いる機能性材料の発見
Nature 543, 7647 doi: 10.1038/nature21419
分子結晶は、単純な直観的法則に従って組み上がるわけではないので、巨視的物体と同じように設計することはできない。分子結晶の構造は、金属有機構造体や共有結合性有機構造体に見られる予測可能な強い結合パターンに起因するのではなく、多くの弱い相互作用のバランスによって生じている。従って、トポロジーなどの構造設計構想を前提とする設計戦略は、うまくいかないことが多い。今回我々は、計算による結晶構造予測と特性予測を組み合わせて、候補分子から実現され得る構造と特性を示すエネルギー–構造–機能マップを構築した。こうしたマップを用いて、分子結晶についてこれまで報告された中で最も密度が低い高多孔性固体が特定された。これらのマップでは、分子の構造を唯一のインプットとして用いて、結晶の構造と物理的特性(メタン貯蔵容量やゲスト分子選択性など)が予測される。より一般的には、エネルギー–構造–機能マップを用いることで、予測された結晶構造から電子構造や機械的特性などの目的の機能を推測でき、そうした機能を持つ材料を実験的に発見する手掛かりになる可能性がある。

