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構造生物学:哺乳類ABC輸送体であるP糖タンパク質でのエネルギー変換と交互アクセス

Nature 543, 7647 doi: 10.1038/nature21414

搬出輸送体に属するABC(ATP binding cassette)輸送体は、ヌクレオチド結合ドメイン(NBD)でのATP加水分解のエネルギーを使い、エネルギー勾配に逆らう方向への基質の搬出を、専用の膜貫通ドメイン(TMD)を介して行う。多数の研究によりATP加水分解の機構が説明され、ABC搬出体の構成も明らかにされているが、ATPのエネルギーを基質移動の仕事に変換する際の構造的動態の詳細はまだ明らかにされていない。今回我々は、マウスABC搬出輸送体であるP糖タンパク質(Pgp;別名ABCB1)のATPおよび基質と共役したコンホメーション変化のサイクルを、電子–電子二重共鳴法と分子動力学シミュレーションを用いて調べた。この輸送体は、外因性化学物質の排出やがんの化学療法に対する抵抗性に関して重要な役割を果たしている。スピンラベル対は、内向きと見なされているコンホメーションから外向きのコンホメーションへの遷移が追跡できるように選択した複数の残基に導入された。得られた知見から、ATPのエネルギーがNBDで2行程のサイクルによって利用される仕組みが明らかになり、その結果としてTMDの形を変えるようにコンホメーションが動くことが解明された。これらはPgpによる輸送機構の2つの重要な性質である。膜内の外向きのコンホメーションの構造の完全に原子論的なモデルに加えて、Pgpのコンホメーションの動態に関して得られた手掛かりは、機構的また構造的データをATP共役型輸送に関する新たな考察に組み込むもので、搬出体であるABC輸送体の機構的な多様性を明らかにしている。

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