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がんエピジェネティクス:急性白血病におけるENL YEATSドメインによる転写制御

Nature 543, 7644 doi: 10.1038/nature21688

頻発性の染色体転座によって生じたMLLのキメラがん遺伝子は、臨床転帰の悪い高悪性度の急性白血病につながる。MLLの融合相手としてクロマチン関連因子が選択的に関わることにより、転写制御への依存性が隠れてしまっている。最近はがんのクロマチン調節因子を標的にする手法が進歩しているものの、詳しく研究の進んでいるこの疾患に対し、現在利用できる治療法は効果が上がらないため、治療介入の新しい標的を見つける必要性が高まっている。今回我々は、不偏的なCRISPR–Cas9技術を用いて、MLL-AF4陽性急性白血病細胞株でゲノム規模の機能喪失変異のスクリーニングを行い、ENLが、in vitroin vivoでの細胞増殖に必要な新たな遺伝子であることを明らかにする。白血病の発病と動的な転写制御にENLがどのような構造的役割を果たしているかを説明するため、化学遺伝学的方法を開発して、標的タンパク質の分解を行った。ENLが急速に失われると、ゲノム全域の活性な遺伝子において、RNAポリメラーゼIIによる転写開始と伸長が抑制され、その影響はENLが過度に結合した遺伝子で顕著であった。また、ENLに依存した白血病細胞の増殖には、クロマチンを読み取る完全なYEATSドメインが不可欠だった。総合するとこれらの知見から、急性白血病の依存因子の1つが明らかになり、この疾患ではYEATSドメインを阻害することは、機序として合理的であると示唆される。

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