Letter
物性物理学:離散的時間結晶の観察
Nature 543, 7644 doi: 10.1038/nature21413
自発的な対称性の破れは、宇宙論、素粒子物理学、物性物理学を含む物理学の多くの分野における基本的な概念である。その1つの例が空間並進対称性の破れで、結晶の形成や液体から固体への相転移の基盤となっている。最近、空間的な結晶との類似性を使って、時間的な並進対称性が破れ、「時間結晶」が現れると提案されたが、その後、これは熱平衡状態では許されないことが示された。しかし周期的に駆動されている非平衡状態のフロケ系は、分数調波周波数が現れるところで永続的な時間相関を示し得る。この新しい物質相は「離散的時間結晶」と呼ばれている。今回我々は、捕獲した原子イオンでできた相互作用するスピン鎖において離散的時間結晶を実験的に観測したことを報告する。我々は、周期的なハミルトニアンを多体局在条件下の系に適用して、外部擾乱に対してロバストな分数調波の時間的応答を観察した。こうした時間結晶の観測によって、時空間的に長距離相関した系や本質的に非平衡な条件下で現れる新しい物質相の研究が可能になる。

