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分子生物学:TIRRはヒストンメチルリシン結合機能を隠蔽することで53BP1を調節する
Nature 543, 7644 doi: 10.1038/nature21358
P53結合タンパク質1(53BP1)は、多機能の二本鎖切断修復タンパク質で、Bリンパ球でのクラススイッチ組換えや、BRCA1欠損腫瘍のポリADPリボースポリメラーゼ1(PARP)阻害剤への感作に不可欠である。全ての53BP1活性で中心となるのは、タンデム型TudorドメインとヒストンH4のジメチル化されたリシン20(H4K20me2)との相互作用を介した、このタンパク質の二本鎖切断部位への動員である。今回我々は、タンデム型Tudorドメインと直接結合してそのH4K20me2結合モチーフを覆い隠す、これまで特性の分かっていなかったタンパク質TIRR(Tudor interacting repair regulator)について明らかにする。DNA損傷が起こると、プロテインキナーゼATM(ataxia-telangiectasia mutated)が53BP1をリン酸化し、RIF1(RAP1-interacting factor 1)を動員して53BP1–TIRR複合体を解離する。しかしTIRRの過剰発現は、53BP1の二本鎖切断部位への局在化を阻害することで、その機能を妨げる。TIRRの枯渇は、核可溶画分で53BP1を不安定化し、53BP1を中心とする二本鎖切断誘導タンパク質複合体を変化させる。以上の結果から、TIRRが、53BP1のヒストンメチルリシン結合機能を隠蔽する独自の機構によって二本鎖切断修復に影響を及ぼす新規の因子であることが明らかとなる。

