Article

古生態学:地球最古の熱水噴出孔沈殿物に見いだされた初期生命の証拠

Nature 543, 7643 doi: 10.1038/nature21377

地球最初の生命がいつどこで誕生したのかは不明だが、最初期の生命生息可能環境の1つは、海底の熱水噴出孔であった可能性がある。本論文では、カナダ・ケベック州のヌブアギトゥク表成岩帯に由来する海底熱水噴出孔関連の沈殿物と考えられる鉄質堆積岩中に存在し、少なくとも37億7000万年前、場合によっては42億8000万年前のものである可能性のある、微生物と推定される化石について報告する。これらの化石は、赤鉄鉱からなるマイクロメートルスケールの管状および糸状の構造体で、その形態および鉱物組成は、現代の熱水噴出孔沈殿物に存在する糸状微生物や、年代のより新しい堆積岩に含まれる類似の微化石のものに似ている。ヌブアギトゥクの岩石は炭酸塩および炭素質物質に同位体的に軽い炭素を含んでおり、こうした炭素は続成作用で生じた炭酸塩の花弁状結晶や花弁状結晶間で連晶化した燐灰石の刃状結晶、磁鉄鉱と赤鉄鉱からなる細礫中に黒鉛包含物として存在し、関連する炭酸塩は微化石と直接接触していた。総合すると今回の観察結果は、酸化したバイオマスの存在と一致するとともに、37億7000万年以上前の海底熱水環境での生物活動を裏付ける証拠を示している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度