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遺伝学:栄養細胞における配偶子形成遺伝子の不適切なタイミングでの発現が片親性ダイソミーの原因となる

Nature 543, 7643 doi: 10.1038/nature21372

片親性ダイソミー(UPD)とは、個体が片方の親だけから受け継いだ一対の相同染色体を持つ状態のことで、先天性異常やさまざまながんに関連してよく見られる現象である。UPDの大部分は、接合前や接合後の染色体分離の異常によって起こると考えられているが、それがどのような因子の働きで起こるのかは、まだ解明されていない。今回我々は、分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe)をモデルとしてUPDについて調べ、RNA干渉(RNAi)装置やYTHドメインを持つRNA除去因子Mmi1に異常があると、二倍体の栄養細胞でUPDが高頻度で生じることを明らかにする。この現象は、セントロメアでのヘテロクロマチン凝集の異常によるものではない。注目すべきことに、RNAiの構成要素やMmi1を持たない細胞では、UPDと関連して配偶子形成遺伝子が不適切なタイミングで発現していた。RNAi変異体でもmmi1変異体でも、発現が増加している減数分裂コヒーシンRec8やサイクリンCrs1の遺伝子を欠失させると、UPDが抑制される。また、野生型細胞においてRec8を過剰発現させるだけで、UPDが引き起こされる。栄養細胞で発現するRec8は、染色体の両腕とセントロメアの中心に局在し、コヒーシンのサブユニットPsc3の局在に必要とされる。Rec8とPsc3のセントロメアへの局在が、染色体分離に特有の影響を及ぼすことでUPDを促し、1本の相同染色体の還元分離を引き起こす。これらの知見を総合すると、栄養細胞における配偶子形成遺伝子の不適切なタイミングでの発現がUPDを引き起こす要因であることは明らかであり、これらの知見は、ヒトのさまざまな疾患に結び付くUPDを理解するための確かな基盤となる。

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