Letter

進化学:鳥類の適応放散の巨大進化動態

Nature 542, 7641 doi: 10.1038/nature21074

生物学的多様性の起源および拡大は、発生の道筋および利用可能な生態的地位(ニッチ)の限界の両方によって調節されている。系統の多様化では、種および形質の増加における急速であることの多い初期段階は、過密さが増す一方のニッチ空間の各領域に新たな種が詰め込まれるにつれて、進化的な減速へと移行する。ダーウィンフィンチ類などの小さなクレードは、自然選択が適応放散の駆動力であることを実証しているが、小進化の過程がどのようにしてその規模を広げ、はるかに長い進化の時間スケールにわたって表現型多様性を拡大していくのかは不明である。今回我々は、三次元的にスキャンした2000種を超す鳥類のくちばしの形態に関して、クラウドソーシングを利用して得たデータセットを解析することにより、全球規模でこの問題に取り組んだ。その結果、くちばしの多様性は、現生鳥類の進化史の初期の、形態学的ニッチ空間への詰め込みが支配的になる段階への移行に先立って拡大したことが分かった。しかし、この初期の表現型多様化は進化速度の時間的変動とは連動しておらず、くちばしの進化速度は、系統間では異なるものの経時的には比較的安定している。系統樹の枝に沿って進化速度が急上昇すると、まれだが大きな不連続性が表現型に出現し、これが時として独特のくちばし形態を有する弱小クレードを生じる場合があることが分かった。分類群間ではこうした飛躍が見られるにもかかわらず、分類群内でのくちばしの形状進化の主軸は、鳥類全体で極めて安定している。我々は、全球規模の適応放散の根底にある大進化の過程が、適応帯内での小進化や異なる適応の峰の間の加速進化といった、ダーウィン的およびシンプソン的な考え方を支持することを明らかにする。

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