Letter
材料科学:光起電力型電界効果トランジスター
Nature 542, 7641 doi: 10.1038/nature21050
赤外放射の検出によって、暗視、健康管理、光通信、三次元物体認識が可能になる。シリコンは、現代のエレクトロニクスに広く用いられているが、その電子バンドギャップが原因で約1100 nmより長い波長の光を検出できない。従って、シリコン系光検出器の性能を、シリコンのバンドギャップを超えて赤外スペクトルまで拡張することは、興味深い。今回我々は、電荷輸送にシリコンを用いるが、量子ドット光吸収体を使用するため赤外光に対する感度も高い光起電力型電界効果トランジスターを実証する。シリコンと量子ドットの界面で光起電力が発生するとともに、シリコンデバイスによって高い相互コンダクタンスが得られるため、利得が高く(波長1500 nmで光子1個当たり電子104個以上)、時間応答が迅速で(10 μs未満)、スペクトル応答を広く調節できる。今回の光起電力型電界効果トランジスターは、これまでの赤外増感型シリコン系検出器と比較して、波長1500 nmで5桁高い応答度を示す。この増感作用は、室温で溶液プロセスを用いて実現したものであり、(ゲルマニウムやIII–V族半導体に用いられるような)従来の高温エピタキシャル半導体成長に依存していない。今回の結果は、シリコンを用いた赤外光検出の効率的なプラットフォームとしてコロイド量子ドットを使用でき、その性能は最先端のエピタキシャル半導体に匹敵することを示している。

