肥満:ボディーマス指数のエピゲノム規模の関連研究と肥満の有害転帰
Nature 541, 7635 doi: 10.1038/nature20784
全世界で約15億の人々が太り過ぎか肥満の病態であり、2型糖尿病や心血管疾患、関連する代謝障害や炎症性障害に進展する危険にさらされている。肥満と関連する臨床病態とを結び付ける機序については限られた知見しかないが、最近の研究では遺伝子発現や分子表現型の重要な調節因子であるDNAのメチル化に肥満が影響している可能性が示唆されている。今回我々は、ボディーマス指数(BMI;肥満の重要な指標)がDNAメチル化の広範な変化に関連していることを示すべく、エピゲノム規模の関連研究を行った(P < 1 × 10−7である187の遺伝子座、P = 9.2 × 10−8 から 6.0 × 10−46の範囲、n = 1万261試料)。遺伝的な関連解析から、DNAメチル化の変化は肥満の原因ではなく、主に結果であることが示された。我々は、多数の組織でメチル化の座位が機能するゲノムの特徴として豊富に存在していることを見いだし(P < 0.05)、また38の座位で遺伝子発現シグネチャーが各座位で指標となるメチル化マーカーにより同定されたことを示す(P < 9.0 × 10−6、P = 5.5 × 10−6から6.1 × 10−35の範囲、n = 1785試料)。メチル化の座位により、脂質やリポタンパク質の代謝、基質の輸送、そして炎症の経路に関連する遺伝子が同定された。最後に我々は、DNAメチル化の障害により、将来2型糖尿病に進展するかどうかを予測できることを示す[メチル化リスクスコアの1標準偏差の増加当たりの相対リスク:2.3 (2.07–2.56)、P = 1.1 × 10−54]。我々の結果は、肥満に影響を受ける生物学的経路の新たな知見を提供するものであり、また、2型糖尿病や他の有害な肥満の臨床的帰結を予測し予防するための新しい戦略の開発を可能にするだろう。

