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環境科学:後氷期の北米の無氷回廊における生物の生存可能性と定着
Nature 537, 7618 doi: 10.1038/nature19085
最終氷期極大期には、大陸氷床がベーリンギア(シベリア北東部と北米北西部をつないだ陸地)を北米の氷河作用を受けていない地域から隔離していた。放射性炭素較正年代で現在から約1万5000~1万4000年前(15~14 cal. kyr BP)までに、氷河の後退によって氷床の間に長さ約1500 kmの回廊が出現した。この回廊に動植物がいつ定着して、人類の移動に回廊が生物学的に適したものとなったのかは、いまだによく分かっていない。今回我々は、この回廊の狭まった部分に当たる湖底堆積物コアから、放射性炭素年代、花粉、大型化石およびメタゲノムDNAを得た。それらの解析から、約12.6 cal. kyr BPまではステップ植生にバイソンやマンモスが生息し、その後、疎林となって、約11.5 cal. kyr BPにはヘラジカが生息し、約10 cal. kyr BPには北方林があったという証拠が見つかった。今回の知見から、12.6 cal. kyr BP以前の北米の氷河作用を受けていない地域にいた最初のアメリカ先住民に当たる、クロービス人もしくはそれ以前の集団が、この無氷回廊経路によってアメリカ大陸に移動した可能性は低いことが明らかになった。ただし、これより後の集団はこの南北の通路を利用した可能性がある。

