Letter
超高速レーザー:超高速バーストパルスを用いるアブレーション冷却による材料除去
Nature 537, 7618 doi: 10.1038/nature18619
フェムト秒レーザーパルスを使用することで熱損傷のない精密な材料除去(アブレーション)が可能になり、これは科学、医学、工業に広く応用されている。しかし、材料除去速度が遅く、関連するレーザー技術が複雑であるため、この手法の可能性は制限されている。レーザー設計の複雑さは、効率よくアブレーションを行うには高いパルスエネルギーしきい値を超える必要があることに起因している。しかし、より強力なレーザーを用いてアブレーション速度を高めると、遮蔽、飽和、より高いレーザー出力での蓄熱による二次的損傷など、望ましくない影響が生じる。今回我々は、航空宇宙工学でよく用いられる技術と同様のアブレーション冷却を利用することによってこの制限を回避している。我々は、一続きの連続した(バースト状の)超高速レーザーパルス群を使って、前のパルスが残した余熱が処理域から拡散する前に標的材料をアブレートした。さまざまな基材についての原理証明実験から、繰り返し周波数が極端に高いと、アブレーション冷却が可能になり、アブレーションに必要なレーザーパルスエネルギーが低くなり、過去に用いられたレーザーパラメーターと比べて除去過程の効率が1桁高くなることが実証された。また我々は、2 mm3 min−1の速度で脳組織を、3 mm3 min−1の速度で象牙質を除去し、熱損傷がほとんど生じなかったことを示している。

