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神経科学:ウィリアムズ症候群のヒト神経発達モデル

Nature 536, 7616 doi: 10.1038/nature19067

ウィリアムズ症候群は、遺伝的な神経発達障害で、並外れて高い社交性と、言語能力や認知能力については保たれている部分と低下している部分を併せ持つことを特徴とする。ウィリアムズ症候群と臨床的に診断されたほぼ全ての患者では、全く同じ遺伝子セットが欠失しており、染色体バンド7q11.23に2つの切断点がある。ヒトの行動異常につながる神経解剖学的・機能的な変化に、特定の遺伝子群がどのように関わっているかはほとんど調べられていない。今回我々は、ウィリアムズ症候群および定型発達の誘導多能性幹細胞に由来する神経前駆細胞および皮質ニューロンを調べた。ウィリアムズ症候群の神経前駆細胞では、定型発達の神経前駆細胞に比較して、倍加時間が長くなり、アポトーシスが増加していた。非定型ウィリアムズ症候群の1患者を用いて、この細胞表現型を単一の候補遺伝子FZD9(frizzled 9)に絞り込んだ。ニューロンの段階では、ウィリアムズ症候群由来の皮質V/VI層ニューロンは、総樹状突起長の増加、棘突起およびシナプスの数の増加、異常なカルシウム振動、ネットワーク結合性の変化を特徴としていた。ウィリアムズ症候群のニューロンに観察される形態計測学的な変化は、ウィリアムズ症候群患者の死後の皮質V/VI層ニューロンをゴルジ染色することにより確認された。このヒト誘導多能性幹細胞モデルは、ウィリアムズ症候群の細胞生物学的性質に関する現在の知識の隙間を埋め、さらにウィリアムズ症候群やヒトの社会脳の基礎となる分子機構についての手掛かりをもたらす可能性がある。

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