Letter

研究費:学際研究はおしなべて研究費を獲得しにくい

Nature 534, 7609 doi: 10.1038/nature18315

学際研究は一般に、技術革新の中心であり、気候変動などの複雑な問題に対処するのに妥当と考えられる唯一の方法だと見なされている。だが、学際的プロジェクトは対象をもっと絞り込んだプロジェクトに比べると研究費を獲得しにくいという考え方が広まっていて、これが学際研究の広がりを妨げる理由の1つとなっている。しかし、この一般的な見方については、これまで客観的な評価が難しかった。その一因は、学際性の高さについての比較可能な定量的尺度で、研究費申請データの評価に適用できるようなものが存在しなかったことである。今回我々は、生物多様性の評価基準、つまりさまざまな研究領域の相対的な代表性(バランス)と各領域の差異の度合い(異種性)を捉える手法を用いることにより、研究計画書の異なる学問分野への広がりの程度を比較した。オーストラリア研究会議のディスカバリー・プログラムは、こうした手法に対する理想的なテストケースとなる。それは、年1回募集される全国規模の競争的助成金制度が、芸術、人文科学、自然科学などのあらゆる学問分野の基礎研究をカバーしているからである。連続する5年間にこの助成制度に申請された合計1万8476件(申請が採択されたものも不採択だったものも含む)のデータを用いることで、学際性が高いほど助成金を獲得できる可能性が低いことが分かった。学際性のこうした負の影響は、共同研究者数、主たる研究領域、および研究施設の種類を考慮に入れた場合でもかなり大きかった。今回の結果は、申請された学際研究の採択率に関する初の大規模な定量評価である。研究に関わる学問分野間の差異、つまり学問領域間の「距離」という評価基準は、研究費助成における傾向の効率的評価を可能にし、学際研究に適した評価戦略を必要とする計画書判定に使用できる可能性がある。

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