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微生物遺伝学:maximum-depth sequencingにより明らかになった細菌の変異率と変異誘発機構
Nature 534, 7609 doi: 10.1038/nature18313
1943年にルリアとデルブリュックは、ファージ抵抗性を調べる手法を用いて、自然突然変異が微生物多様性の推進力であることを確証した。変異率はいまだにそうした手法を用いて調べられているが、これらの手法が使えるのは特定の条件で生存に寄与するごく少数の変異だけである。長期の進化実験を行い全ゲノム塩基配列解読で追跡するといった、より新しい手法では、変異の「ホットスポット」や「コールドスポット」によってデータがゆがめられる可能性がある。新旧どちらの手法に対しても多くの注意が喚起されている。今回我々は、1つの細胞集団内の極めて希少なバリアントを誤り訂正型のハイスループット塩基配列解読法によって検出する、maximum-depth sequencing(MDS)という手法を考案した。この手法で大腸菌(Escherichia coli)の遺伝子座特異的な変異率を直接測定したところ、得られた変異率にはゲノム全体で少なくとも1桁の幅があることが分かった。今回のデータから、一部の種類のヌクレオチド誤取り込みが、基礎変異率の104倍という高頻度で起こっているが、in vivoでは修復されていることが示唆された。今回のデータからはまた、抗生物質による変異誘発の特異的機構もいくつか示唆されており、その中には、酸化的ストレスを介したミスマッチ修復の低下や、転写–複製の競合、フルオロキノン類の場合に見られるDNAへの直接的損傷などが含まれる。

