Perspective
気候科学:温暖化を2°Cより十分低く抑えるにはパリ協定における気候に関する提案をさらに引き上げる必要がある
Nature 534, 7609 doi: 10.1038/nature18307
パリ気候協定は、地球温暖化を2°Cより十分低く抑えることを目指しており、1.5°Cに抑えることを「努力目標」としている。これを実現するため、各国は2020年以降の気候変動対策を略述した、自主的に決定した約束草案(INDC)を提出している。本論文では、温室効果ガスの総排出量削減に対する現在のINDCの効果、パリ気候協定の気温目標の達成へのその影響、約束を超える成果を挙げるために可能な選択肢を評価する。総合的にはINDCによって、現行の政策の排出量と比べて温室効果ガス排出量が削減されるが、それでも2100年までの温暖化は中央値で2.6~3.1°Cになると思われる。パリ気候協定では、意欲度と範囲の双方において、温室効果ガス排出量削減目標を徐々に厳しくすると明記されているため、より大きな排出量削減も実現できる可能性がある。温暖化を2°Cより十分低く抑えるという目標を達成する合理的な可能性を維持するには、各国の国内、地方、非政府のさらなる活動によって、現行のINDCをかなり高めるか、INDCを超えて達成する必要がある。

