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構造生物学:ヒト細胞質アクトミオシン複合体のニア原子分解能での低温電子顕微鏡構造

Nature 534, 7609 doi: 10.1038/nature18295

ミオシンのアクチンフィラメントとの相互作用は、筋収縮や細胞骨格でのアクチンフィラメントに沿った積み荷移動に関わる重要な性質である。このような移動のエネルギーは、複雑なメカノケミカル反応サイクル中に生成される。さまざまな状態にあるミオシンの結晶構造から、ミオシンがFアクチンから解離する際のミオシンモーターサイクルについて重要な構造的知見が得られている。しかし、回折パターンの得られる結晶の作製が困難なことが、アクトミオシン複合体の結晶学的手法による構造決定を妨げている。このため、種々のミオシンと複合体を形成したFアクチンの構造モデルは存在するが、Fアクチン–ミオシン複合体の高分解能構造はまだ得られていない。今回我々は低温電子顕微鏡法を用いて、平均分解能3.9 Åでのヒトアクトミオシン硬直複合体の構造を示す。この構造から、アクトミオシン界面の詳細な構造が明らかになり、主に疎水性相互作用によって安定化されていることが分かった。アクチンの負電荷を持つアミノ末端が、ミオシンのループ2中の保存された塩基性モチーフと相互作用し、ミオシン中の割れ目の閉鎖を促進する。意外にも、ミオシンの全体構造は、Fアクチンがないミオシンの硬直様構造と似ており、Fアクチンとの結合はミオシンでは最小のコンホメーション変化しか誘導しないことが示された。パワーストロークの前と中間(リン酸放出)状態にあるミオシンの比較から、Fアクチンへのミオシン結合の一般的機構が考えられる。我々の結果は、常染色体優性遺伝形式をとる難聴、骨格筋や心筋に関する疾患、特にネマリンミオパチーや肥大性心筋症のような細胞骨格病を分子レベルで解明する際の強力な基盤となる。

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