Letter

気候科学:温帯林の光合成と日中の呼吸の季節性

Nature 534, 7609 doi: 10.1038/nature17966

全球の陸域の光合成と呼吸の間にはわずかな不均衡が存在するため、人為的な二酸化炭素(CO2)排出の4分の1が、陸上生態系によって現在相殺されている。従って、この2つの生物学的フラックスを何が制御しているか解明することは、気候変動の予測に非常に重要である。しかし、生物が相互作用する生態系全体の光合成や日中の呼吸を直接測定する方法はなく、一般的にこうしたフラックスは、環境に対する生態系規模の応答を仮定する方法で、生態系と大気の正味のCO2交換の測定値から推測されている。温帯落葉樹林(重要なCO2シンク)に関する自然な見方は、第一に日中の生態系の呼吸が夜間を上回っており、第二に生態系の光合成の光利用効率が春季に葉が成長した後に最大になり、その後、おそらく葉の加齢や水ストレスのため低下するというものである。この見方は、気候予測に用いられる陸上生物圏モデルや、全球の生物圏生産力のリモートセンシング指数の開発の基盤となっている。今回我々は、新たな同位体計測法を用いて、3年にわたって温帯落葉樹林生態系の光合成と日中の呼吸を測定した。その結果、日中の生態系の呼吸が夜間を下回ることが分かった。これは、生態系規模で光によって葉の呼吸が阻害されることを示す最初の確かな証拠である。標準的な方法では、この効果を捉えられないため、今回の調査地域の生育期前半の生態系の光合成と日中の呼吸が過大評価され、生態系の光合成の光利用効率が不正確に算出される。こうした知見によって、森林と大気の炭素交換に関する理解が見直され、他の生態系において葉のレベルでの生理学的動態が林冠規模でどのように現れるかを調べる基盤が得られる。

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