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細胞生物学:生きた細胞での膜の融合と分裂は半融合構造が仲介し、制御している
Nature 534, 7608 doi: 10.1038/nature18598
膜の融合と分裂は真核生物の活動には不可欠である。膜の融合ではまず、2つの二重層の近位の層同士の融合(半融合)が起こって半融合構造が生じてから遠位の層の間で融合が起こり、一方、分裂は半分裂を介して行われるが、この場合も半融合構造が生じてからその後に完全な分裂に至ると30年にわたって考えられてきた。しかしこの仮説は、生きた細胞で半融合状態や半分裂状態が観察されていないため、裏付けが得られていなかった。これと競合する仮説として、タンパク質で覆われた小孔の形成が関わる融合機構も提案されている。今回我々は、超高分解能の共焦点誘導放出抑制顕微鏡を用いて、生きているクロム親和性神経内分泌細胞と膵β細胞で、Ω型の半融合構造を観察したことを報告する。この構造は、融合小孔の開口あるいは閉鎖(分裂)によって細胞膜に形成される。予想外なことに、完全な融合あるいは分裂への移行は、融合機構とカルシウム/ダイナミン依存性分裂機構との競合によって決まり、融合事象のかなりの部分で極めてゆっくりと起こる(数秒から数十秒)。これらの結果は、半融合・半分裂仮説を裏付ける、生きた細胞で得られた重要な証拠で、これまで欠けていたものである。また、融合機構と分裂機構との競合によって融合に移行するか分裂に移行するかが決まることから、半融合中間体が融合と分裂を制御する重要な構造であることが今回、明らかになった。

