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プロテオミクス:天然の生物システムにおける共有結合性リガンドのプロテオーム規模での発見

Nature 534, 7608 doi: 10.1038/nature18002

低分子は、タンパク質の機能を調べるための強力なツールであり、新しい治療薬のリード化合物にもなり得る。しかし、ヒトタンパク質のほとんどには低分子のリガンドがなく、クラス全体が「アンドラッガブル」と見なされているタンパク質群が複数存在する。FBLD(fragment-based ligand discovery)法では、複雑な化合物のライブラリーのハイスループットスクリーニングで標的を見つけるのが難しいことが分かっているタンパク質に対して、低分子プローブを特定することができる。可逆的に結合するリガンドについて探索するのが一般的だが、共有結合断片は、低分子プローブを見つけ出すための別ルートとなり、その中には、結合親和性のみでは標的にすることが難しいタンパク質領域に接近できるものも含まれる。今回我々は、ヒトのプロテオームや細胞で数千種類のタンパク質に対して行ったシステイン反応性低分子断片によるスクリーニングの定量的解析について報告する。ドラッガブルなタンパク質と、転写因子やアダプター/足場タンパク質、特性が明らかでないタンパク質といった化学プローブのないタンパク質の両方に存在する700か所以上のシステイン残基に対して、共有結合性リガンドが確認された。新たに見つかった非典型的なリガンド–タンパク質相互作用の中には、プロカスパーゼ(不活性型カスパーゼ)と選択的に反応する化合物があった。そこで、これらのリガンドを用いて、ヒト細胞株と初代培養ヒトT細胞の外因性アポトーシス経路の違いを見ることで、ヒト細胞株は主にカスパーゼ-8によって仲介されるが、初代培養ヒトT細胞はカスパーゼ-8とカスパーゼ-10の両方に依存することが明らかになった。共有結合性FBLD法は、リガンドが存在し得るプロテオームの範囲を大幅に拡大し、また、天然の生物システムにおけるタンパク質の機能を明らかにできる化合物を供給するものである。

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